さて、社会主義について、軽くわかるには、哲学の話から入らなければなりません。
哲学がわかると「日本史」がわかるっていう妙なつながりです。
哲学って「生き方じゃないの?日本史と関係ないんじゃないの?」と思った人も、その考えは保留しておきましょう。
日本では「哲学」がほとんどの人に理解されていないので、哲学がオヤジの説教みたいに思われています。
それだと、歴史哲学がわかんなくなるので、オヤジの「おれの哲学はなぁ」みたいなのは、哲学じゃないと考えておいてください。
さて、
話は、18世紀後半から19世紀初頭にさかのぼります。
ヘーゲルというドイツの哲学者がいました。ドイツ観念論を代表する哲学者です。
ドイツは領邦国家だった頃で、ナポレオンの侵攻を受けてドイツ統一へと向かい始めるころでした。
ヘーゲルは、「歴史には一定の法則性がある」と、ほぼ最初に言った人です。
歴史はランダムに出来事が起こっているのを、記録していくことではなくて、「一定の法則」に従って、公式通り動いていくというのです。
この法則が
です。
弁証法の三段階が、このようなものです。
①安定した段階(矛盾がまだ外化していない状態)
②矛盾が生じる段階
③対立するものが総合されたより高い段階
★学校の倫理などの教科書では「正」「反」「合」と表現しています。
例えれば
①脂肪が溜まってきたけど、「そんなに気にならんかなー」くらいの状態
②これはヤバい、筋トレするか!の状態
③激しい訓練(矛盾対立)の結果、ダイエット効果が出たより高い段階
みたいなもんでしょうか。
このように、人間の存在や歴史は、安定→矛盾→矛盾を超えたより高い段階という3つのステージを繰り返しているというのです。
さて、いきなり弁証法を
労働に当てはめます(おお!なんか労働農民党と関係ありそうだぞ!)
たとえば、靴をつくるという労働
①こんな靴があったらいいなぁ
②がんばって試行錯誤して靴をつくる
③がんばったかいあって靴ができた
どうでしょう。
労働は、弁証法になっております。
つまり、労働は人間の内面を弁証法的に自己表現しているということになります。
★労働とは、「疲れる」「金を稼ぐ」「早く休みたい」みたいなマイナスのイメージがありますが、「ワクワク自己実現」ともとらえられます。
マンガを描くだったら、
①こんなマンガにするかぁ(ネームを描く)
②CLIP STUDIOでベタ塗り、セリフを入れる
③マンガが完成する
とマンガもまた自己表現であることがわかります。
さて、
「労働」は自己表現であり自己実現ですから、本来は「他人の承認を得て、うれしい」というあり方をしています。
ここで、ドイツの19世紀に進みます。
カール・マルクスの登場です(つづく)
★哲学に興味のある人は、
こちら↓
大学に入ってから参考にしてね。