トマスワンニャン:富増章成

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異国船打払令の史料

異国船打払令(1825年)の史料

 

文政八酉年二月十八日 異国船渡来の節取計方、前々より数度仰出されこれ有り、おろしや船(ロシア船)の儀に付いては、文化(文化の撫恤令)の度改めて相触れ候次第も候処、いきりすの船、先年長崎において狼籍に及び(1808年のフェートン号事件、近年は所々へ小船にて乗寄せ、薪水食糧を乞ひ、去年に至り候ては猥りに上陸致し、或いは迴船の米穀島方の野牛等奪取候段、追々横行の振舞、

…一体いきりすに限らず、南蛮・西洋の儀は御制禁邪教の国に候間、以来何れの浦方におゐても異国船乗寄候を見請候はゞ、其所に有合候人夫を以て有無に及ばず一図に打払い、迯延候はゞ追船等差出に及ばず、其侭に差置き、若し押して上陸致し候はば、搦捕又は打留候ても苦しからず候。本船近寄り居り候はば、打潰し候共、是又時宜次第取計らるべき旨、浦方末々の者迄申含み、追て其段相届け候様、改て仰出され候間、其意を得、浦浦手立の儀は土地相応、実用専一に心掛け、手重過ぎ申さざる様、又怠慢もこれ無く、永続致すべき便宜を考へ、銘々存分に申付けらるべく候。
尤唐・朝鮮・琉球などは船形人物も相分るべく候得共、阿蘭陀船は見分けも相成かね申すべく、右等の船万一見損い、打誤り候共、御察度は之有間敷候間、二念無く打払いを心掛け、図を失わざる様取計らい候処、専用の事に候条、油断無く申付けらるべく候

 

☆中国船とオランダ船以外は打ち払いです。