トマスワンニャン:富増章成

歴史と思想をくっつけるとちょっと便利

御成敗式目(史料)内容の説明

御成敗式目は土地の話も多いですが、女性についての説明が重要です。

 

第1条:「神社を修理して祭りを大切にしましょう」

 関東御分国(かんとうごぶんこく)にある国衙領(こくがりょう)や荘園(しょうえん)の地頭と神主はちゃんとこのことを理解してね。

 

第3条:「守護の仕事について」

 頼朝さまが決められた守護のお仕事は、大番催促と、謀反人と、殺人犯の取りしまりでしたね(大犯三箇条)。あと、夜討ち、強盗、山賊、海賊の取り締まりもあるんですよ。守護の中には税をとるやつがいてヤバいし、国司でも地頭でもないのに違法行為をするやつがいるからダメだね。

 その他にもいろいろだよ。

 

第5条:「集めた年貢を荘園領主様に納めない地頭は処分だ!」

 年貢を本所(荘園領主)に上げない地頭は、本所の要求があったらちゃんと従ってね。足りない分は足して!足りない分が多くてきつかったら、3年のうちに本所に返すこと。これに従わない場合は地頭をクビ!

 

第7条:「頼朝公や政子さまから与えられた所領の取り扱い」

 この所領は、本所などの訴えがあっても権利を奪われません。大丈夫。
 でも、悪い御家人は、領主が訴えるのはしょうがない。判決が出た後に再び訴訟(越訴)することは禁止。

 

第8条:「幕府の証明書を持っていても、ほんとうはその土地を支配していなかった場合」

 頼朝さまが決めたように、御家人が20年間支配した土地は、元の領主に返す必要はありません(二十年の年紀法)。

☆御下文とは、将軍の発行した領地を保証する証明書のことです。 

 

第11条:「夫の罪のために妻の財産が没収されるのかどうか」

 殺害など重い夫の罪なら妻の領地は没収される。でも夫が口論によってその気はないやっちゃったときは、妻の領地は没収されない。

 

第18条:「女子に相続した所領返還について」

 親の恩は男女とも同じ。今までは女子に返還の義務はなかったけれど、これからは返還しないといけません。これはあとあとの争いを怖がって女子に相続したくなかったり、女子が親不孝をするのをおさえるためだよ。要するに、公家法では女子の悔返しはなかったけど、武家法では男女とも同じなんだよ。

 

第23条:「女人の養子のこと」

 夫婦に子供が無く、夫がなくなってしまった後に養子をむかえ領地を相続させることは、頼朝公の時から認められていることでありOK!

ジェンダー的にすばらしい!

 

このように女性史的なところが強調されて出るので、ジェンダーについて考えるといいです。ぜひ、近現代まで女性史をつなげておきましょう。