新井白石『読史余論』の史料で
九変五変
というのがでます。
普通は、九変五変と暗記しておけば解けます。
一応、史料を載せておきます。
神皇正統記ニ光孝ヨリ上ツ方ハ一向上古ナリ。
万ツノ例ヲ勘フルモ仁和ヨリ下ツカタヲゾ申メル。
★光孝天皇より後が新しい時代としているようだ。
五十五代清和幼主ニテ、外祖良房摂政ス。是外戚専権ノ始 一変。
★清和天皇は幼かったので、藤原良房が摂政をしていた。外戚が権力を握った始まりだ。これが、歴史の一回目の変化だ。
基経外舅ノ(外祖父の)親ニヨリテ陽成ヲ廃シ、光孝ヲ建シカバ、天下ノ権藤氏ニ帰ス。其後関白ヲ置キ、或ハ置ザル代アリシカド、藤氏ノ権オノヅカラ日々盛也 二変。
★藤原基経は、陽成天皇を廃して、光孝天皇がたった。藤原基経は関白となった。その後、関白を置いたり置かなかったりしたけれど、藤原氏が権力を握っていた。
歴史の変化の二回目だ。
六十三代冷泉ヨリ…後冷泉凡八代百三年ノ間ハ外戚権ヲ専ニス 三変。
★外戚政策による段階です。
後三条白河両朝ハ政天子ニ出ヅ 四変。
堀河…安徳凡九代九十七年ノ間ハ政上皇ニ出ヅ 五変。…
このように、歴史をその内容で区分をしています。
まず、五変まできました。
この後、
後烏羽天皇→鎌倉殿、天下兵馬の権六変
後堀河天皇→北条氏の執権政治 七変
後醍醐天皇の建武の新政 八変
足利尊氏が光明天皇を立てた 九変
さらに、武家社会の変遷をまた、一から五で分けます。
武家ハ源頼朝幕府ヲ開テ、父子三代天下兵馬ノ権ヲ司レリ。凡三十三年 一変。
平義時承久ノ乱後天下ノ権ヲトル。ソノノチ七代凡百十二年高時ガ代ニ至テ滅ブ 二変。
後醍醐中興ノ後源尊氏反シテ天子蒙塵、尊氏光明院ヲ北朝ノ主トナシテ、ミヅカラ幕府ヲ開キ子孫相継デ十二代ニヲヨブ。凡二百三十八年 三変。
足利殿ノ末織田家勃興シテ、将軍を廃シ、天子ヲ挟ミ天下ニ令セント謀リシカド、事未ダ成ラズシテ 凡十年ガホド 其臣光秀ニ弑セラル。豊臣秀吉其故智ヲ用ヒ、自ラ関白トナリテ天下ノ権ヲ恣ニセシ事凡十五年 四変。
其後終当代ノ世トナル 五変
★徳川の世になりました。